中東のオフィス。そこで働く人たちの出身国は? (1/2)
今僕は、中東に石油プラントを建設するため、建設地の中東で働いている。
生活の中で様々な出身国の人を見かけるのだが、圧倒的に多いのがインド、パキスタン出身国の方々。インド人の圧倒的人口とビジネスへの浸透の勢い。
まず仕事場での大多数がインド人である。
街を歩いていても多い。
日本の横浜にある中華街と同様な形でインド街がある。それも複数。
インド系、パキスタン系の理容店が通りに一つ二つはある。
レストランでもインド料理を出している店は多数
タクシーの運転士もインド人
あまり統計的な数値ではなく、主観的であるかもしれないが、それでもインド人が多い。
中東では本当にビジネス、生活の場にインドが入り込んでいる。
外国語を学ぶとしたら、英語の次はヒンディー語か。
中東のオフィス。そこで働く人たちの出身国は?
今僕は、中東に石油プラントを建設するため、建設地の中東で働いている。
石油プラントやLNGプラントなどの「エネルギープラント」は日本では馴染みがないワードかもしれない。
が、石油や天然ガスなどの資源が豊富な中東や東南アジアでは、エネルギー産業が一大産業となっており、その国で働く人たちの大半がエネルギー産業に関連したビジネスで働いている。
その中でもプラントを建設する事業があり、業界ではオフィスでの設計(Engineering)、 モノの製作や輸送に関する調達(Procurement)、建設(Construction)のそれぞれの頭文字をとって、EPC事業と呼ぶ。
僕はそのEPCに携わる一人のエンジニアとして、現在モノの製造、また製造物の検査を中東で行っている。
さてタイトルに書いた通り、では中東にあるメーカー(製作工場)で働いている人たちの出身国はどのようになっているか。
1位 インド人
2位 その他
という感じ。
圧倒的にインド人が多い。割合でいうと70%がインド人ではないだろうか。その他の30%には地元のサウジ/バーレーン/カタールなどの出身者、そしてアメリカ、南アフリカ、エジプト、イタリア、フランス、フィリピン、ベトナム、シンガポール、韓国、日本とあらゆる方面の出身者がいる。
僕はこれを見て何を思ったか。
それは陸続きになっている国とは、なんて周辺国との関係が広いのだろうかという事。
そしてインドの圧倒的人口とビジネスへの浸透の強さである。
もちろん実際に仕事をしている人たちは、出身国から飛行機で移動してきているため、陸続きになっている事はあまり意識しないのかもしれない。でも島国出身の僕からみると、自国v.s.外国人という構図はなく、異なる出身国の人と働くのは、日本で様々な都道府県出身者が一つの会社で働いている事と同じくらい軽いノリなのである。
これは隣国に車で行く、荷物・輸送を陸路で行う、という事が当たり前である雰囲気から生まれるのかもしれない。
そしてインド人の圧倒的人口とビジネスへの浸透の勢い。
それは次回につづく。
中東の通勤
中東の通勤手段はほぼ車である。
サウジ人の同僚から現代社会での車は昔のラクダのようなもの。
と教えられたことがある。車がそれほど身近なものになったということだろうか。
僕もこちらに来るまで想像できなかったが、中東の車の使用率はとても高い。
外は暑いし、大地が広いために建屋と建屋の距離があり、車以外の交通手段をとるストイックな心を持った人は少ない。
ここで僕が驚いたこと、それは交通マナー。
といっても、もはやマナーという言葉は存在しない。
まずスピード。100kmオーバーが普通速度といえる。高速道路ではなく、普通の民家の間でも加速は当たり前。
第二に玉突き事故の多さ。毎朝玉突き事故を目撃する。それも2、3台はかわいいほうで、多い時には6、7台はいく。それもそのはず車間距離は手を伸ばせば届くくらいの距離であり、前の車が急停止した際には止まりきれないからだ。
第三に渋滞。これが一番衝撃的だった。サウジでは至るところで渋滞が起きている。
どこでかというと玉突き事故。と、分岐前。合流時点ではなく、分岐前。
それはなぜかとよくよく観察したところ、こちらの車線変更の遅さからといえる。日本からしたらもはや手遅れの位置でも平気で車線変更をしてくる。具体的には左右分岐があったとして、左レーンいっぱいに走っていた車が突然右車線に移ってきて、右コースに行くという行動。
渋滞しスピードがでていない分、後ろの車に追突されることないのだが、それが起こるために渋滞は解消されない。
警官よ!取り締まってくれよ!と思って近くで停車しているパトカーを見ても、若い警察官はうつむいて携帯ゲームをやっている様子。
郷に入っては郷に従え。
僕は会社がチャーターしているバンに乗るため、運転しているわけではない。
が、初めて出社した日は、車が衝突しそうになったり、前の車との車間距離が近すぎていてもたってもいられなく、途中のドライブスルーで買ったコーヒーを一口も飲めなかった思い出がある。
それでも僕はもう半年くらい同じバンで同じ道路を通勤しているが、毎日無事オフィスに到着する。
毎日繰り返してはいるものの、到着した車から降りたときの安堵感には少し笑える。
目覚ましのいらない生活
午前6時、ベットの上で布団にくるまって寝ていた僕の耳に入ってくるのは、お祈りの声。
ここは中東の国のとあるホテル。石油関係のビジネスに携わる僕は、この中東で仕事をしている。
中東はどこもイスラム教の信仰が多い。街の中は中東と聞いて想像する砂色の建物や黒い衣服で全体を覆った女性、立派な髭をたくわえるおじさんがたくさんいる。(街なかの様子は追々書いていきたい。)
この国に来て、まず適応しなければならないのが、お祈りの文化に慣れること。
一日に5回行うこのお祈りは
1回目はSubuh(スブー)朝の6時ごろから朝の7時ごろまでの間。
2回目はZOHOR(ズフル)1時ごろから三回目のお祈り時間までの間。
3回目はASAR(アスル)午後の4:30頃から四回目のお祈り時間までの間。
4回目はMAGHRIB(マグリブ)7:30頃から5回目のお祈り時間までの間。
5回目はISYAK(イシャ)8:30頃から次の日のSUBUHお祈り時間の間。
の順番に行われる。
そしてこのお祈りが始まる時間になると、聞こえてくるのがアザーン(Adhān)と呼ばれる礼拝(サラート)への呼び掛けである。
この礼拝(サラート)の呼びかけは街の中に点在しているモスク(イスラム教寺院)から聞こえてくる。
感覚としては日本の街なかにある広報に近い。
僕のホテルはこのモスクのすぐ近くにあり、さらに僕の部屋はモスク側、つまり壁を挟んだ外側にアザーンの音源があり、朝一からお祈りの音が聞こえてくるというわけだ。
そして毎朝、僕はこのアザーンによって目を覚ます。目覚まし時計のいらない生活。
さて今日も頑張ろうか。
日本企業に就職しながら、海外勤務が多い
日本の会社で勤務し、10年弱が経過。
その間、日本勤務と海外駐在を行き来している。
理系職でエンジニアとして働く中で、
「海外」「仕事」「理系」を軸に日々の発見や思いをつづる。